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Home / BL / 俺ともう一人の私、どちらが好き? / 第13話 引きこもりの原点(02)

第13話 引きこもりの原点(02)

Author: 星琴千咲
2025-06-25 10:11:53

医者さんの検査はそんなに時間がかからなかった。

大介たちに注意事項とかを伝えて、医者さんと看護婦さんは部屋から退出した。

大したことがないと知って、大介たちも一安心。

「相変わらずダメな子だけど、雪枝以外にもお見舞いの人がきているのはでかい進歩だ」

黒河はベッドの隣に座って、思いきり悠治の頭をいじった。

その遠慮のないしぐさと口調に、大介はデジャブがあった。

「しかしね、妹とそっくりな子を彼女に選んだとは、お前のシスコンも変態級に入ったのね」

「!ち……っ」

「違います!」

悠治が口を開く前に、穂香のほうは先に否定した。

「私じゃないです!」

黒河は意外そうに振り向いた。

「そうか?勘違いしたの?」

「そ、そうです!誤解しないでください。みんなも困りますから……」

「その言い方だと、ほかに誰かがいるみたいね」

黒河に聞き返されたら、穂香は視線を大介のほうに投げた。

警察の直感と女の勘、両方も優れている黒河は秒で悟った。

「なるほど、そっちだよね。通りにこんなダメな子を雇ってくれたわね。まあ、驚くことはないわ。今の時代じゃ普通のことだし。で、結婚はどこの国?ドイツ?カナダ?」

「それもまたとんでもない勘違いだけど……」

大介の弱い否定は、全く黒河の耳に入らなかった。

悠治は数日入院することになった。

黒河の誘いで、お見舞いが終わった大介たちは四人で食事に行った。

その間、雪枝は悠治の勘違い小説のことを黒河に説明をした。

短い時間だけど、雪枝と穂香はすっかり仲良くなった。二人が共通話題で盛り上がっていて、食事の後にカラオケしに行った。

大介はそのまま仕事に戻ろうとしたら、黒河に引き留められた。

「悠治のことなんだけど――」

「さっきも言ったけど、オレじゃないんだ&hel

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